【2025】チケット管理システム比較表|SaaS vs OSS・無料ツールの選び方

企業規模やIT部門の人数によって、最適なチケット管理システムは異なります。本記事では、SaaS型からOSS(オープンソース)型まで、主要なチケット管理システムを比較し、情シス担当者が自社に最適なツールを選定するための判断基準を提示します。

比較時に必ず確認すべきポイント

選定を失敗しないために、以下の3点は必ず確認してください。

  1. ランニングコストの試算: ユーザー数課金か、エージェント(管理者)数課金か。全社員がこれを利用する場合、ユーザー課金型はコストが跳ね上がります。
  2. オンプレミス対応の要否: 社外にデータを持ち出せない、あるいはAD連携のために閉域網で運用したい場合、SaaSは選択肢から外れる可能性があります。
  3. マルチチャネル対応: メールだけでなく、Slack/Teams、電話、Webフォームからの問い合わせを一元管理できるか。

主要なチケット管理システム比較表

以下は、代表的なツールの特徴をまとめた比較表です。

ツール名 形態 初期費用 月額(目安) 日本語 特徴 おすすめ層
Zendesk Cloud 0円 8,000円~/名 世界シェアNo.1、AI機能・連携最強 予算があり失敗したくない企業
Freshdesk Cloud 0円 0円~(無料枠有) UIが直感的、スモールスタートに最適 中小企業、初めての導入
ServiceNow Cloud 要問合せ 高額 IT管理(ITSM)のデファクト 大企業、内部統制重視
Zammad OSS/Cloud 0円 (自社構築費) UIがモダン、SNS連携強 技術力のある情シス
osTicket OSS/Cloud 0円 (自社構築費) 枯れた技術(PHP)で超軽量 低スペックサーバーで運用したい場合

情シス視点での評価ポイント

独自の運用フローに合わせられるか

情シスの業務は、「PC貸与」「アカウント発行」「障害対応」など多岐にわたります。それぞれのチケットタイプごとに、入力項目(シリアル番号、資産管理IDなど)を柔軟にカスタマイズできる機能が必須です。

資産管理システムとの連携

チケット管理単体で完結するのではなく、既に運用している資産管理台帳(スプレッドシートや専用ツール)とデータ連携できるかが重要です。APIが公開されているか、Webhookが利用できるかを確認しましょう。

導入規模別の選び方

  • 〜50名(ひとり情シス): Excel管理で限界を感じたら、まずは無料で使える Freshdesk のFreeプランか、軽量な osTicket を試してください。
  • 50〜300名(兼任・少人数情シス): チームでの情報共有が必須になります。ZammadZendesk など、対応履歴が追いやすく、重複対応を防げる機能を備えたツールを選びましょう。
  • 300名以上(専任情シスチーム): ITIL準拠や内部統制対応が求められます。ServiceNow や、Zendeskの上位プランなど、監査ログやSLA管理が充実したツールが必要です。

技術要件:OSS導入の実用例(osTicket)

コストを極限まで抑えるためにOSSを選択する場合、osTicket は非常に有力な選択肢です。LAMP環境で動作するため非常に軽量です。以下に Docker Compose での構築例を示します。

ファイル名:compose.yaml

services:
  mysql:
    image: mysql:8
    restart: always
    environment:
      MYSQL_ROOT_PASSWORD: rootparam_password
      MYSQL_USER: osticket
      MYSQL_PASSWORD: osticket_password
      MYSQL_DATABASE: osticket
    volumes:
      - mysql-data:/var/lib/mysql

  osticket:
    image: osticket/osticket:latest
    restart: always
    ports:
      - "8080:80"
    environment:
      MYSQL_HOST: mysql
      MYSQL_USER: osticket
      MYSQL_PASSWORD: osticket_password
      MYSQL_DATABASE: osticket
    depends_on:
      - mysql
    volumes:
      - ./osticket-config:/var/www/html/include/plugins

volumes:
  mysql-data:

起動コマンド:

docker compose up -d

起動後、http://localhost:8080 にアクセスし、インストーラーに従ってセットアップを行ってください。

よくある質問

Q. SaaSとOSS、どちらが良いですか?

A. 「サーバー管理の手間」対「ライセンスコスト」のトレードオフです。サーバー保守ができるエンジニアがいるならOSSはコストメリット大ですが、いなければSaaSの方がトータルコスト(人件費含む)は安くなる傾向にあります。

Q. 英語のツールでも大丈夫ですか?

A. 管理画面は英語でも慣れますが、エンドユーザーが見るポータル画面や通知メールが英語のみだと、社内利用のハードルが上がります。日本語対応(ローカライズ)の精度は必ず事前検証してください。

まとめ:自社の「身の丈」に合ったツール選びを

高機能すぎるツールは設定が複雑で、結局使いこなせずに形骸化します。まずは「問い合わせの漏れをなくしたい」「履歴を検索したい」といった、目の前の課題を解決できる必要最小限の機能からスタートすることが、定着への近道です。


次のステップとして、より具体的な情シス向けの運用フロー設計記事をご覧ください。

情シス向け:運用フローの最適化と自動化のポイント